新潟県産コシヒカリ、2024年も受難…生産者「収量少ない」 豪雨で倒伏、粒小さい「ふるい下米」多く
新潟日報デジタルプラス/新潟県内ニュースより
IMAIファーム(田んぼ)も同じだった・・・株式会社MAI企画の今井芳久です。
新潟県産米の主力品種コシヒカリの刈り取りが終盤の県内で、生産者から「2024年は収量が少ない」との声が上がっている。主食用米の基準に満たない、粒の小さな「ふるい下米(したまい)」が多く発生しているようだ。収穫期前の豪雨で稲が倒伏したことや気候変動の影響があるとみられる。
9月下旬、国道沿いに一面の田んぼが広がる新発田市。まだ刈り取られていないコシの田んぼは、ベッタリと倒伏していた。「8月下旬以降に降ったゲリラ豪雨が原因だ」。刈り取り作業をしていた男性(58)=新発田市=は声を落とす。
🌾コシヒカリの稲が倒伏した田んぼ。収量の減少が懸念される=新発田市
収穫されたコメは、粒の大きさが主食用の基準を満たしているか確認するため、ふるいにかけられる。このふるいから小さくて落ちてしまうのが「ふるい下米」だ。ことしは、もみの数自体は減っていないものの、例年は1割以下にとどまる「ふるい下米」が、2割程度になっているという。※「ふるい下米(したまい)」とは、玄米の出荷前に1.7mmから2.0mm以上のふるいにかける選別で、ふるいの下に落ちる米のこと。
コシは通常、1反(10アール)当たり8〜9俵(1俵60キロ)取れるが、「ことしは1俵から1俵半は少ない」など、減収を訴える声が県内各地から出ている。JA全農県本部(新潟市西区)は収量減になった場合の対応策として、コシなどの仮渡し金(1等米、60キロ当たり)を1000〜1500円引き上げる決定をした。
農林水産省が発表した8月15日時点の作柄概況(作況)では、新潟県は平年(100)比99〜101に相当する「平年並み」の見込みだった。農水省が今後公表する作況が注目される。
◆「2024年はいいぞ」の期待一転、刈り遅れで等級に影響も
2023年は猛暑に見舞われ、コシヒカリの等級低下に苦しめられた新潟県内で、24年は収穫量が減る懸念が出ている。等級は回復傾向にあるが、8月以降のゲリラ豪雨で稲が倒伏し、登熟しきらずに粒が小さいままのコメが目立つという。倒伏による稲刈りの遅れが、今後等級に影響を及ぼすのではないかと心配する声も聞かれる。
「お盆前までは『ことしはいいぞ』と思っていたが、その後、強い雨が降るたびに倒れていった」。新発田市の男性(58)はもどかしそうに話した。
倒伏した稲を刈り取る際はコンバインの速度を落としたり、稲が詰まって停止しなければならなかったりして、作業時間は3〜4倍かかる。
県北地域が管内のJA北新潟(新発田市)によると、コシの収量が10アール当たり30〜60キロ少ないほ場が多い傾向にあるという。倒伏は、8月25日のゲリラ豪雨の影響が大きいとみている。
9月も再三強雨に見舞われて倒伏が進んだ上、稲と田んぼが乾くのを待って刈り取るため作業が進まず、刈り遅れによる等級低下も懸念している。
県産米の主力品種であるコシは、水稲品種別作付面積比率で約6割を占める。栽培する上で倒伏しやすいことが課題の一つだ。
県農産園芸課の調べによると、コシの倒伏は全県で見られる。9月12日時点で著しく倒伏している田んぼは24%で平年の3倍以上という。その後もさらに強雨が降ったことから、倒伏した田んぼは増えたとみられる。7月の日照不足で草丈が平年より伸び、倒伏しやすい状況だった。
生産者によると、収穫期前に稲が根元近くから倒伏すると、登熟しきらないコメが多く残るという。また地域によっては、春先の高温で苗が育ちすぎた影響や、日照不足でもみの数が少なかったのではないか、と指摘する声もある。
コシの収量減を指摘する生産者は上越、中越でもいる上、こしいぶきなど早生(わせ)品種でも「収量が減った」(新潟市内の60代男性)との声もある。
2023年産米の品薄感は、24年産米との端境期まで続いた。県内のJA関係者は「他県の作況も見てみないと分からないが、25年も『コメが足りない』とならなければいいのだが」と話していた。
来年も米騒動があるんですかね~・・・