日本の一次産業は高齢化・担い手不足など問題に直面しています。そんな一次産業が抱える「過酷・危険・定収入」というイメージを払拭し、若者がワクワクする事業(農業と漁業)を同時に行うアクアポニックス)に変えた植物工場の先進事例を見学してきました。
株式会社 IMAI企画今井芳久です。
■株式会社プラントフォーム(新潟県長岡市上前島1-1863)
アクアポニックスとは
水産養殖と水耕栽培を同じシステムで行う「アクアポニックス」。本工場では、チョウザメを養殖し、その排泄物を含んだ水でレタスや水菜等の水耕栽培を行ってる、エネルギー循環型の食糧生産システムです。
□植物工場見学の前に、株式会社プラントフォーム代表の山本社長から事業概要等、植物工場の現状とこれからの農業(食)についての講話を聴きました。
🔶植物工場で生産されているのはほとんどがレタス(90%)
🔶植物工場では、安定して食物を生産できるが半面差別化が難しい。価格面で大規模工場には負けてしまう。
🔶みどりの食料システム法って知ってますか?
「みどりの食料システム法」は、環境と調和のとれた食料システムの確立を目指す法律です。この法律は、農業、林業、水産業、食品産業の持続可能な発展を促進し、環境への負荷を低減することを目的としています。
具体的には、以下のような取り組みが含まれます:
- 環境負荷の低減: 化学肥料や農薬の使用を減らし、有機農業や自然農法を推進します。
- 持続可能な生産: 土壌の保全や水資源の管理を強化し、持続可能な農業生産を実現します。
- 地域経済の活性化: 地域の農産物を活用した地産地消を推進し、地域経済の活性化を図ります。
- 消費者教育: 環境に配慮した食生活の普及を目指し、消費者への教育や啓発活動を行います。
この法律は、2021年に制定され、2022年から施行されています。持続可能な食料システムの構築に向けた重要な一歩となっています。
「みどりの食料システム法」には、
具体的な数値目標がいくつか設定されています。以下に主な目標を挙げます
- 化学肥料の使用量削減: 2030年までに化学肥料の使用量を30%削減することを目指しています。
- 農薬の使用量削減: 2030年までに農薬の使用量を50%削減することを目指しています。
- 有機農業の拡大: 2030年までに有機農業の面積を25%に拡大することを目指しています。
- 温室効果ガスの削減: 2050年までに農業部門からの温室効果ガス排出量をゼロにすることを目指しています。
これらの目標は、持続可能な農業と環境保護を両立させるための重要なステップです。具体的な取り組みや進捗状況についても、随時報告されています。
🔶日本の農業では高齢化と就業人口の減少が長らく問題になっており、農業従事者の平均年齢は「68.7歳」
🔶食の崩壊?
- 気候変動: 異常気象や気候変動により、農作物の生産が不安定になり、食料供給が脅かされます。
- 農業従事者の高齢化: 農業従事者の高齢化と後継者不足により、農業生産が減少し、食料自給率が低下します。
- 食料の浪費: 食品ロスやフードロスが増えることで、食料資源が無駄にされ、食料供給が不安定になります。
- 環境汚染: 土壌や水質の汚染により、農作物の生産が影響を受け、食の安全が脅かされます。
- 人口増加: 世界的な人口増加により、食料需要が増加し、供給が追いつかなくなる可能性があります。
これらの要因が複合的に作用することで、食の崩壊が進行することがあります。持続可能な農業や食料供給の確保が重要な課題となっています。
🔶化学肥料の価格が、わずか3年で5倍に跳ね上がった。
🔶持続可能な農業=食を維持していく事
🔶肥料生産/肥料戦争(中国・ロシア)※中国は2023年秋から肥料の輸出規制を強化しています。具体的には、加里肥料の輸出禁止、化成肥料の重量による規制、りん酸肥料の輸出検査の一時停止(実質的な輸出禁止)
🔶JA系スーパー、鳥取県で「全店閉店」の衝撃 農業県で生き残ることができず…なぜ?
なぜJA系スーパーは鳥取県で生き残ることができなかったのでしょうか。
・大きな原因=厳しい経営環境、農業従事者減、JA活動資金減少+近年の飼料代・肥料代や燃料代が高騰
⚠️今後必ず来る10年後の食の劇的な変化に対して今から準備が必要と感じました。
2025大阪・関西万博
大阪ヘルスケアパビリオンに「アクアポニックス」を設置!
2025年大阪・関西万博にオール大阪で出展する大阪ヘルスケアパビリオンに、子どもたちにいのちの循環の大切さを伝えるとともにSDGs達成への貢献を目指す取り組みの一つとして、自然界におけるサステナブルな循環を体現するアクアポニックス「生命の器(仮称)」を設置する計画が発表されました。 本計画に対し「その実現のために役立ててほしいと」ご寄附をいただきました。今後は、このご寄附を活用し、本学植物工場研究センター・教員らの最新の研究成果を取り入れながら、具体化に向けて取り組みを進める予定です。
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